蛇の番い方は、おもしろい。なにしろ、あんな縄みたいな形をした動物だけあって、あの場合、それこそ、二本の縄を、より合わせて、もっと太い縄を作るのと同じように、二本の蛇が、からみ合い、よじれ合う。
紛糾の糾という字を「あざなう」と読む。
禍福は糾う縄の如しという、あれそっくりの形が蛇のあれである。
ギリシャ神話にあるヘルメス、それはロlマのマlキュリーで商業と泥棒の神様である。
このヘルメスの持ち物が、カデユクスという棒、彼のステッキに二匹の蛇がからみ合って恋愛しているところ。
一橋にあった高等商業学校の帽子の記章である。
蛇の香った形を帽子につけるとは、知らぬが仏で、訳を知ったら、おかしいだろう。もっとも、そろばん学校で動物学を教えないから、笠信太郎や伊藤整の母校も安心なもの。
蛇