色で苦労

還暦すぎて、「色で苦労」しようとは。若い時に散々苦労しながら、もう、あのほうは免許皆伝、卒業と思っていたのに。
テレビも色彩なしの「白黒」だけなら、中間色のニュアンスで事足りるが、毎週カラー・テレビに出演となると、いろいろ面倒くさいことがある。カラー写真と同じで色の配合と配分がむずかしく、本番前にカラーの専門家がカラー表を持ってやって来る。
「赤が足りません」「赤は、どんな赤ですか」なぞと、なにかいうと「赤」「赤」だ。まるで、軍部横暴時代の憲兵みたい。
これが、若い女性なら、ふんだんに、赤を使ってるし、わざわざ赤いなにかをつけても、おかしくない。
われわれの仲間は、服装に赤と縁がない。白髪頭に赤ネクタイはなかなかシックなもの。山本嘉次郎や伊藤道郎みたいな白髪なら赤ネクタイが、よく似合う。藤浦洗は栄養が全部頭の毛に行ったような男であるし、藤原おあきさん、六十有余の老婆とあっては、赤いものは色気ち
がいと間違われる。
読売ジャイアンツのナイター用のユニフォームもやたらに赤を使って、チンドン屋みたい。だがこれもカラー・テレビのためとあっては止むをえない。ジャイアンツの連中、始めての時は、照れてしまって成績が良くなかった。
われわれも仕方なく、カラー・テレビの時は、なんか考えて赤いものを、それとなく使う。そのうちに、段々怠けて来て、三人のうち誰かが、ちょっぴりでも赤を使うだろうと他の両名を当てにする。
ある時、われわれ三人とゲストを合わせて四名、一点の赤もなかった。一計を案じた私は、赤鉛筆の新しいのを二本、胸のポケットから、はみ出させて、どんなもんだいと得意の鼻をうごめかした。がちょうどマイクにかくれて、色鉛筆は見えなかったという。
がっかりでした。

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